日本大学理工学部の「習志野祭」 その2

わたくし事ですが、2014.11.2(日)に、船橋市習志野台にある「日本大学理工学部」船橋キャンパスで行われた学園祭「第47回習志野祭」を見に行きました。 
その時の様子と、個人的な感想を書きたいとおもいます。 今回はその2です。

PTAサイトが、学園祭の話題を扱うのは、適当かどうか悩むところですが、「進学先の情報」の一つとして参考にしていただければと思い、今回投稿いたしました。

この記事は、個人の判断で公開いたしました。
尚、この記事に関するお問合せは、当サイトへお願い致します。

※あらかじめ「習志野祭実行委員会」へは、記事を公開することをお知らせしています。 

「テクノプレース 15」の様子から

「テクノプレース 15」とは、
「交流の場を核とした創造性を育む施設」「地域社会に開かれた施設」「周辺環境との調和と地球環境への配慮」をコンセプトに、バリアフリーや環境・省エネルギーへの貢献も考慮して設計された総合実験施設です。土木・交通モデル実験室、環境水理実験室、海洋建築試験水槽および二次元水槽(海洋建築水槽実験室内)、氷海水槽(低温実験室内)、構造材料実験室、基礎構造実験室、工作実習室、航空機実験室、微小重力実験室、宇宙工学実験室、航空工学実験室、落下塔、マルチホールなどが設置されています。
日本大学理工学部HP 研究施設案内より引用

「テクノプレース 15」全景の写真をご覧になるとわかると思いますが、とても巨大な施設です。 この施設1つだけ見るだけでもかなりの時間を要します。 多岐にわたる実験施設なので全てをご紹介することが出来ません。 ご了承ください。


「テクノプレース 15」前で行われていた「土木工学科の展示」

X Web Bridge(クロス・ウェブ・ブリッジ)とアーチ型の木製歩道橋(計2基)が展示されていました。 学生十数人の手で組み立てられました。 手際良い作業で、おそらく組み立ては1時間もかからずに出来ていたと思います。
木製歩道橋上を歩いてみましたが、思ったより揺れも少なく結構しっかりした印象です。 シンプルな構造なので、災害時などにも使えそうです。

「テクノプレース 15」内の橋史料他

「テクノプレース 15」の船橋日大前駅寄りの入口から中に入ってみました。
入口に入って左側に、セグウェイ3台が駐車?していました。
キャンパス内が広いので「セグウェイ」で移動するシーンもあるのでしょう。

「海洋建築工学科」や「土木工学科」の案内が目に入りましたが、時間の都合でそちらまで足を伸ばせませんでした。 看板にあった「環境水理実験室」等 土木関連の実験施設は、さぞ大きなことでしょう。

※ 市川工業高校建築科3年生が見学へ行った時の様子です。(2015.7.2追記)


「テクノプレース 15」のアトリウムには、建築・土木関連の史料が展示されています。
写真にある「関東大震災の歴史的記録」では、地震によって柱の鉄筋が座屈した様子が見て取れます。 そんな柱も補強すれば75年以上持つのだなぁと感心させられる史料です。 
橋史料も、明治期の「輸入橋梁」や「コンクリートアーチ橋」等、土木を志す方々には興味深いものだと思います。

機械系学生の工作実習室

市工の機械加工実習室も、工作機械が一通り揃っていますが、「テクノプレース 15」の実習室は、建物が新しいだけにきれいな印象でした。 
窓が大きく外の光がよく入る設計になっています。 従来の機械工場のような暗いイメージはありません。
機械自体は、市工同様、年季が入ったものが多いようです。 旋盤や卓上ボール盤等 お馴染の機械が並んでいます。
市工の機械系の測定室は入ったことはないのですが、おそらく同じようなものはあるはずです。
「テクノプレース 15」においても、硬度計・ポンプ関連の測定器・面粗さ測定器・引張試験器等の測定器類が充実しているのがよく分かりました。

機械加工の基礎は、体験を通して身につけるという所は、工業高校に通ずるところです。 例えば、フライス盤の仕組みを知る為「フライス盤のテーブルの組立」が行われるそうです。 「旋盤で丸棒を切削しての部品製作」は、学年毎に複雑さが増し、難易度が上がります。
いろいろな機械要素が集積しているエンジン。 その「エンジンの分解・組立・性能試験」の一連の作業を通じて工具の使い方・組立時に気を付けなければいけない箇所などを学びます。
工作実習室は、座学だけでは理解できない、「機械加工・組立の実際」を経験的に学ぶことができる場だと思います。

航空宇宙工学科の実験室

「交通総合試験路」に面した側に、航空宇宙工学科の実験室があります。 年季の入った小型機 「Fuji AERO SUBARU」(富士重工式 FA-200-160)が、実験室内に設置されています。  実験室にいた学生の話によると、実際に飛ばすことはないらしいのですが、新入生が飛行機の仕組みを学ぶ時の教材として利用されているそうです。 貴重な機体だそうです。
小型機 「Fuji AERO SUBARU」を飛ばすことはないのですが、実際に別の機体を使って「交通総合試験路」で、操縦の実習のすることもあるそうです。 


建築・土木関係の実験室も天井が高いのでしょうが、航空宇宙工学科の実験室も天井が高いです。 天井に移動式クレーンが設置されています。 重量物を移動することがよくあるのでしょう。

小型機の横に「大型真空チャンバー」が設置されていました。
このチャンバーの中に超小型衛星を入れて真空下の試験を行うそうです。
航空宇宙工学科は、「SEEDS」や「SPROUT」と名付けられた超小型衛星の打上げ実績があります。
この大型真空チャンバーに試作機を実際に入れて試験をおこなったようです。 脇に「真空ポンプ」や「温度コントローラー」と思しき機械が置いてありました。 真空チャンバーの置かれた場所の奥に「クリーンルーム」があるようなのですが、今回は覗くことが出来ませんでした。
今回は、行き当たりばったりで航空宇宙工学科の実験室を訪れたのですが、「オープンキャンパスウォッチング」に参加した方が、より詳しい説明が受けられるかもしれませんよ。 🙂


航空宇宙工学科のある3号棟の屋上のアンテナ

実験室では、「宮崎研究室」の話題は出さなかったのですが、超小型衛星「SPROUT」には、興味があります。
ふと名称の由来を考えてみたのですが、「SEEDS」(種)の後の衛星だから「SPROUT」(芽)なのでしょうか? もちろん何かの略称というのはわかるのですが・・・別の意味合いも聞いてみたいものです。 
研究室のブログによると次期開発衛星の計画も進んでいるようですよ。
衛星の管制・追尾システムについては、公開されていなかったのですが、3号館の屋上にある巨大なアンテナの写真だけ撮ってみました。
(ブームがとても長い「多素子のクロス八木アンテナ」が北の空を向いていました)

 
次回も研究室の展示&発表等をリポートしたいと思います。

ソフトウェアラジオで人工衛星電波の受信

「超小型人工衛星の講演会&アンテナ製作会」の話題から(続編)

 
市工PTAサイトの管理人も、10月19日アイリンクルーム(市川市)で行われた、「超小型衛星開発の講演会」へ行きたかったのですが都合が悪く、残念ながら行くことが出来ませんでした。

その後、宮崎研究室の学生が更新するブログ「SPLOG」に、講演会とアンテナ製作会の様子の記事が公開されました。

その記事に、アンテナを片手に衛星電波を受信するシーンがありました。
アンテナは、手軽に製作できるものの、受信機はどうしているのかなぁという疑問はありました。
その疑問の答えとなる受信システムの記事が「SPLOG」にありました。

記事を読んでの感想と、ソフトウェアラジオの大まかな仕組み

 
「SPLOG » アウトリーチで衛星を身近に その2」の記事を読んだのですが、最近のラジオ事情に疎い私には、俄かには信じられない受信システムです。
ソフトウェアラジオなんてのがあるの知りませんでした。

といっても、「Radiko」や「らじるらじる」などのインターネット放送とは違います。
また、「Ustream」や「ニコニコ生放送」とも違います。

PCのUSB端子に取り付るタイプの「デジタルワンセグTVチューナー」を利用したアナログラジオ・通信の受信方法です。
アナログのラジオ(AM・FM放送)は通常、専用のラジオ受信機で受信するのが普通ですが、SDRというソフトウェアラジオの場合、パソコンを介して音声を復調します。
とても広帯域の放送や通信を聴くことができます。

以前息子が買った、安価なワンセグTVチューナーがありました。
受信環境が悪い我が家では、ワンセグチューナーが活躍する機会が少ないです。

今回使用したワンセグTVチューナー

今回使用したワンセグTVチューナー


そこで、日大理工学部 航空宇宙工学科のSPLOGにあった、SDRラジオの記事を参考に駄目元で試してみました。

「ワンセグチューナーの取付」と「デバイスドライバ」&「ラジオの受信と波形観測が出来るソフトウェア SDR#」のインストール作業

 
息子から借りたワンセグチューナーに入っていた、AD変換デバイスの感度は今一らしいのですが、一応ソフトウェアラジオとして機能するものでした。

PCとワンセグTVチューナーの他に、AD変換器をラジオとして機能させるための「デバイスドライバ」とラジオの受信と波形観測が出来るソフトウェア「SDR#」の二つが揃って、初めてソフトウェアラジオを聴くことができます。

学生の書いたブログ記事の参照リンクに従って、「デバイスドライバ」と「SDR#」をダウンロードして、PCにインストールしました。

参照リンク先

詳しいことは参照した記事をご覧になっていただきたいのですが、一番注意しなければいけないのは、「ワンセグチューナーに元々付いているワンセグを見る為のデバイスドライバ」は、インストールしてはいけないということです。(両方のデバイスドライバが入っているとソフト同士が競合して不具合が起きます。)

フリーウェアのダウンロード・インストールの経験がないと少しまごつくかもしれませんが、試す価値は十分にあります。

その他参考にした記事

アンテナをつないで実際に受信してみました。

 
受信システム自体は、下は20MHz位から上は1700MHz位(実用範囲)のあらゆる周波数の電波を聴くことができます。
ただし聴きたい周波数に合ったアンテナが必要になります。

受信の手順
ワンセグチューナーの外部アンテナ端子(F型コネクター)に、アンテナから引いてきた同軸ケーブルを取り付けます。 PCから、SDR#(受信用ソフトウェア)を立ち上げます。 周波数をマウスで設定します。 電波形式(FMN・FMW・AM・LSB・USB等)を選択します。
左上の▷のボタンを押すと受信が開始されます。 □ボタンで停止します。

私の場合とりあえず、現在使っていない旧アナログTV用アンテナにつないで、100MHz~200MHz位の範囲で受信を試しています。
FM放送や航空無線辺りは、問題なく受信できます。

航空無線(羽田)119.4MHz 受信画面

航空無線(羽田)119.4MHz 受信画面


NHK-FM(東京) 82.5MHz 受信画面

NHK-FM(東京) 82.5MHz 受信画面


(受信システムの特性上、アンテナがあったとしても、AMラジオや短波等の低い周波数帯を聴くことは出来ません。)

アンテナを自作等すれば、気象衛星NOAA や 日本大学理工学部 航空宇宙工学科のSPROUT衛星からの電波を受信することも、夢ではありません。

十年前には、考えられなかったアナログ電波の受信方法です。 
是非、人工衛星や電波に興味のある方は試して見て下さい。 世界が広がりますよ。


予告
2014年11月2日 日本大学理工学部 船橋キャンパスで行われた、「第47回習志野祭」へ行ってきました。 
近々記事をアップできると思いますのでご期待下さい。

都合により12月頃に、投稿予定です。(2014.11.11追記)

航空宇宙工学科のある3号館のアンテナ

航空宇宙工学科のある3号館のアンテナ

市川での「人工衛星開発の講演会」関連記事

eisei

以前「千葉県葛南地域振興事務所」主催の講演会のPRに協力しましたが、関連の記事がネット上に公開されていましたのでご紹介したいと思います。 講演会の内容については下記をご参照ください。

講演会
「超小型人工衛星開発の現状とその大きな可能性」
2014年10月19日(日) 10時30分~13時30分

場所 アイ・リンクルーム(市川市)
JR市川駅南口から徒歩2分・市川駅行政サービスセンター内
(市川市市川南1丁目1番1号ザ・タワーズ・イースト3階)

「超小型人工衛星の講演会&アンテナ製作会」に関する記事まとめ

 
市工PTAサイト管理人は、都合が悪く、講演会へは行けなかったのですが、市工電気科の栗原科長ほか数名の生徒が講演会の申し込みをしたと聞きました。 栗原先生から聞いたのですが、今年も超小型人工衛星絡みの課題研究が行われているそうです。

アイ・リンクルームで行われた「超小型人工衛星の講演会&アンテナ製作会」の様子を伝える記事を探したら、「宮崎研究室のブログ」と「SPLOG」に以下のような記事があったのでご紹介します。 以下のリンク先をご覧ください。

「宮崎研究室のブログ」より(宮崎教授自身による投稿)

 
SPROUT衛星からの電波の「受信アンテナ」に関する記事

この記事は、講演会の行われる一週間前に書かれたものです。
リンク先の記事内の「手づくりアンテナ」は、アイ・リンクルームで作るものと同様の物のようです。 6素子の八木アンテナのようですね。 🙂

「SPLOG」より(研究室の学生による投稿)

 
「受信アンテナ実験」と「講演会当日の様子」に関する記事

この記事は、講演会の行われる9日前に書かれたものです。
受信用「手づくりアンテナ」の研究室での実験の模様です。

この記事は、講演会の翌日に書かれたものです。
「講演会の様子」と、「受信用手づくりアンテナの製作会」・「衛星からの電波の受信風景」が載っています。 楽しそうですね。 🙂

「最新の人工衛星開発についての講演会」開催

私共のサイト宛てに「千葉県葛南地域振興事務所」の方からメールをいただきました。 以下のような講演会を開催するので、PRに協力してほしいとのことでした。 

一昨年の総合技術コンクールで「東京大学教授・中須賀真一先生」による超小型衛星についての特別講演を聴きました。 その縁もあって人工衛星関連の記事は、数件書いています。 それらの記事に「千葉県葛南地域振興事務所」の方が気付いたようで、今回依頼を受けました。 興味がある方は、是非参加してほしいと思います。

講演会
「超小型人工衛星開発の現状とその大きな可能性」

2014年10月19日(日) 10時30分~13時30分

場所 アイ・リンクルーム(市川市)
JR市川駅南口から徒歩2分・市川駅行政サービスセンター内
(市川市市川南1丁目1番1号ザ・タワーズ・イースト3階)

周知用チラシのスクリーンショット

講演会のチラシ(オモテ)

講演会のチラシ(オモテ)


講演会のチラシ(ウラ)

講演会のチラシ(ウラ)


タイトル:SPROUT最終組み上げ!! 2014_03_22-23

 

主催者の千葉県葛南地域振興事務所 米本様 よりのメッセージ

スプラウトという人工衛星の打ち上げに成功した日大理工学部航空宇宙工学科宮崎康行教授は、人工衛星に大変に熱心な方で、身近な地域で手作りの人工衛星の打ち上げに成功している事例を多くの方にお知らせする、さらに講演会に参加していただくということは有意義なことと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

以下のリンク先は、小型人工衛星「SPROUT」に関する記事です。


「最新の人工衛星開発について」第一線の研究者から話が聴ける貴重な機会だと思います。

10月19日(日)開催で、しかも市工から近いアイ・リンクルーム(市川市)です。 市工の生徒に限らず、興味のある方は是非参加してほしいと思います。 (ただ、中間試験期間と重ならければ・・・とちょっと心配していますが)

アイ・リンクルーム(市川市)の場所が少々分かりづらいので、以下のリンク先をご参照ください。

 
チラシによると、小型人工衛星「SPROUT」からの電波の受信を試みる為、アンテナの制作会もあるようです。 そちらの参加の旨は、申込書に記入します。
参加対象者は、特に学生である必要はないようなので、幅広い年齢層の方が参加していただけると思います。 募集数80名(先着順)なので申込みはお早めに!

参加申込みについて
参加申込みは、チラシ(ウラ)にある申込書に記入し、郵送かFAXで「千葉県葛南地域振興事務所」へ送って下さい。
または、申込書の内容を電子メールで「千葉県葛南地域振興事務所」へ送信して下さい。
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申込書(チラシ裏面)(PDF:586KB)
 
※申込期限は、平成26年10月14日(火)までです。

詳細は、以下のリンク先をご覧ください。

 
追記:個人的な希望ですが・・・「ラジオ研究部無線班の部員」や「ロボット技術研究部の部員」「無線通信に興味がある電気科の生徒やOB」などの参加を期待します。 🙂


SPROUT衛星のテレメトリの受信動画です(2014.9.22追記)

タイトル:SPROUT CW 28 July 2014 1655UTC over BKK, TH

 

テレメトリ(telemetry)とは、遠隔測定法を意味する語だが、宇宙分野では、打ち上げられた衛星や探査機の状態を示す信号の意味で使われている。
テレメトリ信号 ‐ 通信用語の基礎知識より引用

タイ・バンコクで受信されたもののようです。 1:55付近から再生されます。
1:57付近で、モールス符号でコールサインが確認できます。 JQ1ZJQ SPROUT ”Mode” “Data” の順で聴くことができます。
・--- --・- ・---- --・・ ・--- --・- (JQ1ZJQ)
・・・ ・--・ ・-・ --- ・・- - (SPROUT)
“Mode” “Data” は、CWテレメトリフォーマットをご参照ください。


「超小型人工衛星の講演会&アンテナ製作会」の様子を伝える記事
 
「当日の様子を伝える記事」を下記のリンクの先にまとめました。